少子高齢化は日本だけでの話ではなくて、実は先進国では遅かれ早かれ直面しなくてはならない問題である。
要は働く人が少なくなっちゃうよという話なのだが、これを解決する方策としては、移民政策の拡充、女性の活用、生産性の向上などが取り沙汰されている。
現実的な方策としては、定年の延長がもっとも手っ取り早いだろう。
企業側としては給与の高騰といった問題がある。これに対しては、米国や英国のように、ある一定の年齢を過ぎたら、徐々に賃金水準が低下するような体系を作ればよい。それでも、家庭で粗大ゴミ扱いされて、あげくのはてに熟年離婚されるよりはよっぽどましだと思うおじさん達は少なくないはずだ。
問題はスキルの点である。ただし、年をとれば全てのスキルが低下するわけではない。じいさんになると低下するのはまず身体能力であり、そして記憶力や判断のスピードである。
肉体労働はしょうがないとしても、ホワイトカラーの分野においては、老化による衰退を補う方策がある。それがITの活用である。ワープロを使えば筆者のように小学生なみの漢字の知識しかなくても、いっぱしの文章が書ける(ワープロをITとは言わないだろうが)。業務上で判断を下さなければならない場合では、社内のデータベースを活用すれば、すぐに必要なデータを入手することができる。そもそも、ビジネスの経験は若い人には負けない人たちであるから、良質の材料を用意すれば、正確な判断を適格な判断を下すことができるだろう。
仕事は選ぶ必要があるが、おじいちゃんでも活躍できる余地は現代の企業でも十分にある。というか、現代だからこそ活躍できる。
10年前であればおじさん達の敵であったIT技術が、今度はおじさん達を助ける時代になるだろう。
堀江メール問題が脚光を浴びているが、しかし民主党が全くダメで残念である。
ライブドアと武部幹事長との間に何らかの不適切な関係があった可能性は否定できない。
今後、調査が進むにつれ、結局は永田議員が正しかったという話になるかもしれない。
ただし、今回の民主党の手法はまずい。
国会で取り上げるならばそれなりの証拠を提示する必要がある。
指摘の正否はともかく、いたずらに国会を紛糾させた責任については、過ちを認めるべきだ。
さらに、民主党は国政調査権の発動を要求している。この程度の怪文書だけを根拠に実施して良いものだろうか。悪しき前例を作ることになり、今後、国がやりたい放題となる可能性もある。
政権を狙う党としては、当事者意識が薄すぎる。先の選挙から、体質は全く変わっていない。
民主党は、所得格差の拡大などを小泉改革の負の部分であると指摘し、与党を批判しているが、これも説得力が薄いように感じる。
まあ、直感的に解りやすい話である。ただし、政策論争においては、サラリーマンの居酒屋談義のような感覚でやってもらっては困る。
すなわち、小泉改革を行ったために所得格差が拡大したという因果関係を論理的に説明しなくてはならない。例えば、小泉改革を行わなかったとしたら、世の中はどうなっていたのか。ひょっとすると、今よりもっとひどい状態になっていた可能性もあり、この点を民主党はきちんと論拠を挙げて否定しなくてはならない。さらに、過去に民主党が政権を取っていたら、今はどのような世の中になっていたかを示すことも必要だろう。議論の出発点がそもそも間違っている。というか建設的な議論ができる環境を作っていない。文句ばっかり言ってても、国民の支持を得ることは難しいだろう。
yukihondaさんのブログで社会人基礎力についての言及があった。
http://d.hatena.ne.jp/yukihonda/20060207
その中で氏は、以下のような指摘をなされている。
「個別の職場に空きポストができた時に、その職場の長が責任をもって採用基準を明示し採用選抜の判断をくだすようなやり方を、一部から始めて拡大してゆくべきだ。そうした職務別の採用は随時実施され、新規学卒者と既卒者(「第二新卒」と呼ばれるような他社からの転職者だけでなく、正社員経験を持たない者も含む)を職業能力以外で差別しない形で行なわれるべきだ。それはそれほど難しいことではないはずだ」
指摘されている問題は確かにあると感じる。
ただここで、門外漢ではあるけれども、企業サイドの言い訳をちょっと考えてみた。
上記の話が現実的に難しいのは、個別の職場に空きポストができた時に採用できるような人材は、何らかの専門的な能力を既に有していることになる。企業の人事部もアホではなく(むしろ優秀な人が多い)、そのような人材は、そもそも就職にはさほど困らないということだ。
問題は、何のとりえもない(職業能力のみでは差別化できない)お兄ちゃんお姉ちゃんをどう採用するかであって、このような人たちを対象に個別具体的な採用基準を示そうと思っても、なかなか難しい。従って、企業側としては、実際に会ったときの印象や会話のセンスなどといった、文章にあらわすことができない要素を基に判断するしかない。学生からすると、この点が分かりにくいのだろう。
(基準を示したら示したで、すぐにマニュアルや攻略本が出回って、求職者がみんな金太郎飴のような状況になってしまうということも十分考えられ、これはこれで、企業としては都合が悪い)
教育機関としては、へたに実業界で即戦力となりうる人材を育成しようとするのではなく、学生の本分である勉学をしっかりさせるという点に注力すべきだ。大学なら大学で、自身の専門分野についてきっちりと勉強し、自分なりの知見なりを確立できた人材であれば、どこかの企業は必ず採用する。たとえその分野が会計であろうが文学であろうが、大きな違いはない。部活やバイトやサークルの話はもうお腹一杯です。
こう言ってしまうと身もふたもないが、実際には、もう数年経つと、経済全体でものすごい人材不足が表面化することになる。就職氷河期も過去のものとなるだろう。
景気回復期待に加え、所得格差の拡大による富裕層の誕生を見越し、高額消費が増えるのではといった期待が増しつつある。株式市場でも、高級品を取り扱う企業に対する注目が高まりつつある。
ただし、この投資アイデアはきっとうまくいかない。なぜか。
高級品を取り扱う企業は、相対的な成長力が低いからである。
高級ブランド品を販売する小売業を想定して話を進める。
富裕層に対する集客力を高めるためには、商品はもとより、店舗の内外装、立地、店員のサービスなど、オペレーションの全ての面において、より高い品質を備えなくてはならない。
また、店舗網が拡大するにつれ、店舗ブランド価値が希薄化し、富裕層に対する訴求力が低下する可能性もあろう。このため、出店用地は百貨店や都心の一部に限定されることになる。従って、これらの企業は、新規出店が難しいのである。
これから金持ち層がじゃんじゃん増えるのであれば、少しは期待はできる。しかし、少しデータは古いが、金持ち層の数自体は実は増えておらず、一部の超お金持ちの所得が乗数的に増加しているだけだという話もある。
http://www.h-yamaguchi.net/2006/01/post_2.html
株式投資の観点からは、格差社会のもう一方の極である「富裕層ではない人たち」を対象とした企業の方がよりおもしろい。もちろん客単価は相対的に低くなるが、全体的な市場規模は富裕層よりはるかに大きい。限られた所得の中で、より高い効用を求める動きは今後ますます高まるだろう。この点をうまく捉え、従来には無かった付加価値を提供できれば、一気に企業規模を拡大できる可能性がある。
上記の話は、株式市場の中での相対的な魅力についてコメントしたものであり、高級品を取り扱う企業が伸びないという話ではまったくない。景気も回復してるみたいだし、このような企業も伸びる(と思う)。ただ、投資家が期待するほどには伸びないし、それよりもっといい会社があるかもしれないですよ社長という話である。
ライブドアである。マスコミのはしゃぎっぷりがなんともすがすがしいのだが、ここで一旦考えをまとめておこうと思う。
よく言われていることであるが、同社はM&A会社である。
株式市場をテコに、ちょこちょこいろんな会社を買収することで、業績を伸ばしてきた。
このためには、株価を一定の水準以上に維持することが必要だったわけだが、この点において彼らがとった戦略は、なかなか理にかなっていたと考える。
すなわち、今まで株式市場に縁がなかった人々(イメージ的には学生や主婦層になると思われるが)を資金調達の際のターゲットとしたことである。ここでは投資ビギナー層と呼ぼう。
機関投資家や富裕層に比べ、これらの人々は資金量が限られている。従って同社は、株式を狂ったように分割し、投資に要する金額を大幅に引き下げ、投資ビギナー層の資金を引き込むことに成功した。かつ、マスコミが騒ぎそうな対象を買収先に選び、経営者自身も頻繁にマスコミに登場することで、投資ビギナー層の注意を引き付けた。
秀逸であったのは、ライブドア=改革者といったイメージを植え付け、同社の手法に異議を唱える層を”老害”であると断定したことである。これにより改革者VS老害といった、非常にわかりやすい週間少年ジャンプ的な構図を演出した。
ステレオタイプな構図であるが、わかりやすいだけに、ビジネス経験に乏しい(と思われる)投資ビギナー層に対する効果は絶大であった。この戦略がどの程度強力であったかは、同社堀江社長のブログを見るとよくわかる。この期に及んでも洗脳が解けず、氏を擁護するコメントが非常に多いのである。
余談であるが、例の選挙の際には、このイメージ戦略は逆に作用した。氏の選挙区は典型的な田舎であり、氏が得意とする層の人口が相対的に低かったと思われる。実際の選挙戦では、ライバルの亀井氏が、政策論争に持ち込まず、人格批判を繰り返していた。当時はなんだこのおっさんと思ったものだが、実は適格な戦術であったと考える。堀江支持層を切り崩すことよりも、現在の自分の地盤を守ることができれば勝てるのだから。
IT業界や金融業界の中ではよく言われることであるが、同社の技術力や金融手法は、特に優れているわけではない。ただし、このまま買収を繰り返し、経験を積んでいけば、いつかは本当の技術力が身につき、現実が虚構に追いついた可能性もあった。残念。
今後であるが、情勢はきわめて厳しい。上場廃止になる可能性も高いと考えられ、仮にそうなった場合、過去に繰り返してきた企業買収による成長は不可能となる。
想定される罰金は同社の企業規模に比して小額であり、今後も企業活動は継続可能とする人もいる。この点においては確かにそのとおりだが、問題は人材の流出である。特に現経営陣が引責辞任などを行った場合の影響は極めて大きく、内部から崩壊する可能性も高いのではないだろうか。また、大量の内部資料を分析する過程で、これまで明るみに出ていなかった違法行為などが発見される可能性もある。
同社の株を買ってしまった投資家には、かける言葉がなかなか見つからない。ただし、同情心はない。
最後に堀江社長の名言を贈ろう。
「勉強しないと悪い人に騙されちゃいますよ」